マクシミリアン ダイヤモンド

「ごみ」と一緒に捨てられた(?)石

The MAXIMILIAN

このお話は、1860年にオーストリア皇帝フランスジョゼフ1世の弟、マクシミリアン皇子がブラジルの密林での植物調査に同行したことから始まります。

マクシミリアン皇子は、そこで、2つの大きなダイヤモンドを見つけ、購入しました。ひとつは、後に、エンペラー・マクシミリアンダイヤモンド(The EMPEROR MAXIMILIAN)と呼ばれた強いブルーの蛍光性を持ったダイヤモンドで、ひとつは、緑を帯びた黄色の50カラットのダイヤモンドの原石で後に、マクシミリアンダイヤモンド(The MAXIMILIAN)と呼ばれるようになる石でした。

この、マクシミリアンダイヤモンドは33カラットのクッションカットにカットされ、マクシミリアン皇子の婚約者であるベルギーのカルロッタ王女に贈られました。

1863年に、ナポレオン3世がメキシコを征服し、この際に、メキシコ皇帝に選ばれたマクシミリアン皇子は、妻のカルロッタと共にメキシコに向かい、1964年6月10日にメキシコ皇帝の座につきましたが、国民の殆どがこのことに反対しており、その後、メキシコ軍のゲリラ的な抵抗と疫病のために、フランス軍は壊滅状態となり、また、アメリカがナポレオンに対し撤退を要求した為、フランス軍の撤退後、1867年にマクシミリアンは銃殺されてしまいました。

その後、一旦マクシミリアンダイヤモンドは行方不明となりますが、1901年に2人の男たちがこのマクシミリアンダイヤモンドをアメリカに密輸しようとして捕まり、没収されたマクシミリアンダイヤモンドは競売にかけられました。

1946年に、ニューヨークの宝石商であるモリス・A・ネルキンジュエリーがマクシミリアンダイヤモンドを購入しました。

1961年に、ネルキン家に空き巣が入ろうとしたことに気が付いた娘のルースが、父の宝石の一部を、台所のごみ箱に隠しましたが、混乱していた彼女は宝石を隠したことを忘れてしまい、何も知らない姉妹のシャーリーがごみを捨ててしまいました。ルースがごみ箱に隠した宝石の中に「マクシミリアン」があったのかどうなのか…。この「マクシミリアン」の行方は未だわかっていません。

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