宝石と活字の関係


宝石と活字のサイズ(フォントサイズ)には、密接な(?)関係があります。

19世紀後半ごろから、イギリスでは、4.5ポイントサイズのフォント(活字)を「ダイヤモンド」。5ポイントサイズは、「パール」。5.5ポイントサイズは、「ルビー」。そして、6.5ポイントサイズは、「エメラルド」と呼んでいました。

そして、日本で言う、ルビ(振り仮名)の語源は、宝石のルビーからきています。そもそも、日本の新聞社が、通常新聞記事に使用していた活字の大きさが5号サイズ。そして、その5号サイズの活字の振り仮名用に使用していたのが、7号サイズの活字でした。(7号サイズの活字は、5.5ポイントの大きさです。)新聞社では、7号サイズの活字は、殆ど振り仮名に使用していました。その7号サイズの活字は、イギリスでは「ルビー」と呼ばれていたため、日本では、7号サイズの活字を「ルビ活字」と呼ぶようになりました。そこから転じて、印刷業界で、振り仮名をルビと呼ぶようになったのです。そして、現在、その業界用語が一般にも普及した…というわけです。

さて、日本には、イギリスから活字の大きさを表す「ルビー」や、「ダイヤモンド」等の用語が入ってきました。しかし、もしこの用語が、アメリカから入ってきていたら。アメリカでは、5.5ポイントサイズのフォント(活字)は、「アゲート(瑪瑙)」と呼ばれていました。ですから、もしかしたら、振り仮名は、「ルビ」ではなく、「アゲート」(読みにくいから、「アゲ」とか?)と呼ばれていたかもしれませんね。

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