炎の首飾り(ブリーシンガメン)

「永遠の戦」のきっかけ

こちらを読む前に、宜しければ フレイヤをご一読ください。

フレイヤの持つ、首飾り。それは、ブリーシンガメンと呼ばれる炎の首飾りです。

炎の首飾り(ブリーシンガメン)は、もともとが、金の首飾りとも、琥珀の首飾りとも言われています。

ある日のこと、フレイヤは、自分の住む、アースガルズを出て虹の橋(ビヴロスト)を渡り、ミッドガルドへと向かいました。そして、洞窟で、4人のドワーフ(人間よりも小さい種族。小人とも言われることがあります)が、首飾りを製作しているところに出会いました。首飾りは、とても美しく、魅力的で、フレイヤは、この首飾りが欲しくなりました。

しかし、ドワーフ達は、この首飾りを売ろうとはしませんでした。彼らはお金には困っていなかったのです。4人のドワーフは、この首飾りをフレイヤに渡す代わりに、彼女の一夜限りの相手になることを望みました。そして、4日後に、首飾りは、フレイヤのものとなりました。

この一部始終は、ロキという悪戯が大好きな神に見られていました。ロキは、最高神であるウォーデン(オーディン)にこのことを告げました。ウォーデン(オーディン)は、ロキに炎の首飾り(ブリーシンガメン)を盗むように指示します。

ロキが、フレイヤから炎の首飾り(ブリーシンガメン)を盗む事を見咎めたのが、男性の神々でもっとも美しいとされるヘイムダルでした。ヘイムダルは、ロキから炎の首飾り(ブリーシンガメン)を取り戻すため、ロキを追い、最終的には取り戻すことができたのです。

ウォーデン(オーディン)は、神ともあろうものが、ドワーフと一夜を共に過ごしたことに怒り、炎の首飾り(ブリーシンガメン)を取り上げようとしましたが、フレイヤはそれを拒みました。

ウォーデン(オーディン)は、それならば、20人の武将を持つ二人の王様を永遠に戦わせることによって、罪を償うことができると、フレイヤに告げました。フレイヤは、20人の武将を持つヘジンと、同じく20人の武将を持つホグニを戦わせることにしました。

フレイヤは、ヘジンを焚きつけ、ホグニの元へと向かわせました。しかし、二人の間には、友情が生まれてしまいました。

次に、フレイヤは、ヘジンに、ホグニの妻を殺害させ、娘を略奪させました。フレイヤは、一度剣を抜くと、人を殺さないと収めることができない魔剣を、ヘジンに与えていたのです。フレイヤは、ホグニには、死者を復活させることができる霊薬を与えていました。そのため、ヘジンとホグニを含めた42人は、今も戦いつづけているのです。

その戦いは、世界の終末の日(北欧神話で言う、ラグナロク:神々の運命)まで続くといわれています。

フレイヤが、ドワーフにその身を与え、そして、永遠の戦をもおこし、望んだ「炎の首飾り(ブリーシンガメン)」は、どれほど美しく、どれほど魅力的な首飾りだったのでしょうか。

<北欧神話>

もうひとつのフレイヤの物語
金の涙

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