サンシー ダイヤモンド

血塗られたダイヤモンド

The SANCY

このお話はハーレイという、サンシーの領主が、ダイヤモンドをアンリ3世に貸したところから始まります。それ以前のことは、判っていません。ですが、この頃から、サンシーダイヤモンド(The SANCY)と呼ばれていたと思われます。

アンリ3世は、ヴァロワ朝最後のフランス王で、アンリ2世とカトリーヌ・ド・メディチの第3王子です。アンリ3世は、サンシーダイヤモンドを王冠に飾っていましたが、「3アンリの戦争」で敗れ、その後暗殺されます。

ヴァロワ朝が滅び、ブルボン朝最初の王として即位したのは、アンリ3世の義理の弟であるアンリ4世でした。アンリ4世もまた、ハーレイよりサンシーダイヤモンドを借り受け、そのダイヤモンドを担保にして兵士を雇いました。しかし、担保として差し出す為の使者が襲われて殺されます。この使者は、サンシーダイヤモンドを飲み込んでいたため、ダイヤモンドが奪われる事はありませんでした。しかし、サンシーダイヤモンドを殺された使者の体内から取り出したことから血塗られたダイヤモンドと呼ばれます。

アンリ4世もまた、暗殺され、ハーレイは、サンシーダイヤモンドをイギリスのエリザベス1世に売り、エリザベス1世の死後、次の国王であるジェームズ1世、そして、その息子であるチャールズ1世ひ引き継がれていきますが、チャールズ1世は、戦争に敗れ、処刑されます。

その後、チャールズ1世の未亡人がサンシーダイヤモンドを売ったとも、また伯爵に預けた後に、国王に返却されたとも言われているようですが、最終的には、フランスのルイ14世がサンシーダイヤモンドを手に入れています。ルイ15世に受け継がれたときに、この伝説のページで一番最初にお話したリージェントとともに王冠に飾られていたようです。

1792年、フランスより盗まれたサンシーダイヤモンドは、その後、ロシアに現れ、何人かの手を渡り、現在はルーブル美術館に収蔵されています。

サンシー(外部サイト/英語)

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