オルロフ ダイヤモンド

愛する人へ、報われぬ贈り物

The ORLOFF

このお話は18世紀のインドの川の中にある島、スリランガムという町から始まります。 このスリランガムには南インドで最も神聖な寺院のひとつがありました。この寺院の一番奥には、かつてダイヤモンドの目を持つ偶像があったといいます。

この頃のインドはムガール帝国が支配してはいましたが、衰退の一途を辿っており、インドの支配と富を求めてイギリスとフランスが戦っていました。

フランス人の脱走兵がこのダイヤモンドの目を持つ偶像の噂を聞き、寺院にやってきます。寺院は異教徒が入ることは出来なかった為に、このフランス人脱走兵は、ヒンズー教に改宗したフリをして、寺院に入り込み、長い年月を経てこの偶像がある奥の部屋の監視員となりました。

フランス人脱走兵は、ある夜に片方の目のみを取り出し、川に飛び込み泳いで逃げました。フランス人脱走兵は、イギリス人船長に2,000ポンドで売りさばき、何人もの手を経た後にこの石の噂を耳にしたロシア伯爵のグレゴリー・オルロフを9万ポンドで購入し、ロシアに持ち帰ったことから、オルロフダイヤモンド(The ORLOFF)と呼ばれるようになりました。

グレゴリー・オルロフは、女帝エカテリーナ2世の元恋人でしたが、グレゴリー・オルロフが遠征中にエカテリーナ2世は別の恋人を作ってしまい、その寵愛を取り戻そうと、1774年にエカテリーナ2世に贈ります。エカテリーナ2世は、グレゴリー・オルロフに宮殿を与えましたが、寵愛が戻ることは無く、1783年にグレゴリー・オルロフは狂気のうちにこの世を去りました。

現在、オルロフは、モスクワのクレムリン宮殿にある王笏につけられて保管されています。

オルロフ(外部サイト/英語)

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