カリナン ダイヤモンド
世界最大のダイヤモンド原石
The CULLINAN
1905年1月25日に、南アフリカのプレミア鉱山の監督者であるフレデリック・ウエルズの元に、何かが埋まっているという作業員の一報が入りました。これまで、作業員たちは、ガラスなどを埋めたりするいたずらをしていることを知っていたフレデリック・ウエルズは、いたずらだろうと思いつつも、それを壁から掘り出しました。
しかし、それはいたずらではなく、世界で一番大きなダイヤモンドだったのです。原石で3,106カラットもあり、インクルージョンも殆ど見られないというとても良い品質のダイヤモンドでした。
トランスバール知事のルイス・ボターは、政府に125万ドルで買い上げさせ、それを、イギリスのエドワード7世の誕生日祝いとして献上することとしました。
このダイヤモンドをカットしたのは、現在のロイヤル・アッシャー社で、この原石は、9個の大きな石と、96個の小さな石と、19.5カラットの未研磨ルースに別けられ、1,063カラットとなりました。
その中で、最大の2個はイギリス王室に残し、その他は、ロイヤル・アッシャー社に与えられました。ロイヤル・アッシャー社に与えられた中からエドワード王は、自身の妃である、アレキサンドラ王妃にカリナンⅥを買い、トランスバール政府が残りを全部買い上げました。
トランスバール政府は残りの大きな宝石6個と小さなダイヤモンドの殆どをイギリスの次期王であるジョージ5世の妃であるメアリー王妃に贈りました。
比較的小さな石のうちの2個はルイス・ボター知事に送らました。
カリナン(外部サイト/英語)
「カリナンⅠ」
「アフリカの星(geate star of Africa)」とも呼ばれる、最初にイギリス王室に送られた最大のダイヤモンドのうちの最も大きなもの。王笏にはめ込まれ、ロンドン塔に展示されているが、戴冠式の際は、ここから、貸し出される。530.2ct。
「カリナンⅡ」
最初にイギリス王室に送られた最大のダイヤモンドのうちの小さな方。帝国王冠にはめ込まれており、「カリナンⅡ」のほかにもたくさんの宝石がちりばめられている。こちらも、ロンドン塔に展示されており、戴冠式と国会の開会式でも使われている。317.4ct。
「カリナンⅢ」
メアリ王妃に贈られ、王冠にはめられていたが、後にブローチとしても使用できるようにされる。94.4ct。
「カリナンⅣ」
カリナンⅢとともにブローチとして使用されている。は別名「レッサー・スターズ・オブ・アフリカ」とも呼ばれる。63.6ct。
「カリナンⅤ」
ブローチに加工。18.8ct。
「カリナンⅥ」
エドワード王が妻に贈る。エメラルドと共にネックレスとして使用されている。11.5ct。
「カリナンⅦ」
ブローチとして使用されている。8.8ct。
「カリナンⅧ」
カリナンⅦと共に、ブローチとして使用されている。6.8ct。
「カリナンⅨ」
リングに加工。4.39ct。