鉱物と薬の関係


鉱物は、昔から薬として使用されてきました。今でも、薬として様々な鉱物が使われているといいます。

解毒作用があるとされていたもの。鎮痛効果があるとされていたもの。消化を助けるとされていたもの。その他にもいろいろな鉱物がいろいろな薬として使われていました。勿論、現在でも薬として使用されている鉱物があるのですが、過去には、間違った使われ方をしてきたものも多かったようです。

例えば、水銀。現在、この水銀は、人体に有害なものであるということがわかっていますが、遠い昔、水銀は銀であるのに固体にはならない希少価値の高い物質であり、永遠に変わることのない液体であることから、これを飲むことにより、長生きできると信じられており、不老長寿・不老不死の薬として使用されていた時代があったようです。当然、水銀を飲んで長生きできるわけもなく、それどころか身体に毒を溜め込んでいたわけですから、逆に長生きも望めません。当時は、そんなことを知るわけもなく、ただ、ひたすらに不老長寿の願いを込めて水銀を飲んでいたと思われます。

水銀は、辰砂という鉱物から、自然に流れ出てきたり、また、加熱することで得られます。このことから、水銀のみならず、水銀を生み出す辰砂自体をも不老長寿・不老不死の薬となっていたようです。

辰砂
−辰   砂−

[ 写真提供 : 茘枝工房 ]
http://homepage.mac.com/itochi/sl/【閉鎖】

鉱物を薬として使用していたのは、ひとつの国ではなく、様々な国で使われていました。国によって、同じ症状の病気に違う鉱物を薬として使用していたり、神話や伝説などから、薬のとしての効能が語り継がれたりしていたようです。

たとえば、ギリシア神話の酒の神であるバッカスとアメシストの神話(伝説の宝石 バッカス参照)により、アメシストには、酒に酔わないとか、二日酔いを治す薬であると思われており、アメシストをつけた水を飲んだり、アメシストを手にしながら、酒を飲んだりしていたようです。

その他にも、たくさんの鉱物が薬として使われてきました。どんな鉱物がどのような薬として使われてきたのか…。興味がつきません。

鉱物薬(外部サイト)

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