ジルコン

キュービックジルコニアとは違います

Zircon

化学組成…ZrSiO
硬度…7.5

語源…1.(zargum)ペルシア語「金色」
2.(zarguin)アラビア語「朱色」
和名…風信子石(ふうしんしせき)

語源のzargumは、ジルコニウム(元素)の語源ともなった

結晶系…正方晶系
比重…4.69
屈折率…1.93−1.98
複屈折量…0.059
光沢…樹脂状〜金剛光沢

いきなりですが、ジルコンは天然石です。時に、キュービックジルコニアと同様のものであると勘違いされている事があるようですが、通常CZと呼ばれるキュービックジルコニアは合成石です。キュービックジルコニア自体は、本来天然のジルコンに内包されていたインクルージョンとして存在していたようですが、現在までに宝石単体としての天然キュービックジルコニアはありません。ジュエリーにセットされているキュービックジルコニア(CZ)は100%合成石と思っていただいてもいいようです。

さて、天然石のジルコンは、その輝きがダイヤモンドに似ていることから、ダイヤモンドの代用という扱いをうけてきました。ジルコンには、ロー・タイプとハイ・タイプの2種類があり、ロー・タイプは、その成分中の放射性元素により、結晶格子が崩壊し、屈折率や比重、さらには硬度が低下したもので、緑のジルコンに多いタイプです。ハイ・タイプは、結晶格子が崩壊していないものを指します。輝きが強く、ダイヤモンドの代用品として使用されているジルコンはすべてハイ・タイプです。

ジルコンは、無色なものだけではなく、前述した緑色のもの。赤色のものや、黄金色のもの、青色のものなど実に様々な色のものがあります。通常ジルコンと言えば、ダイヤモンドの代用品として使用されているような無色のものを思いますが、実は、天然で無色のジルコンは珍しく、流通している無色のジルコンは、茶色のジルコンを熱処理してあるものと思って間違いないでしょう。

しかし、無色透明なジルコンは、本当にダイヤモンドと比べても引けを取らないくらいきれいです。ダイヤモンドと違い、ジルコンは複屈折によるダブリング(像が二重に見えること。この場合は、テーブルからパビリオンを見るとカットした面の線が2重に見える)より、ジルコンを見るとを示すため、見分けることができます。

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