スピネル

間違われていた石

Spinel

化学組成…MgAl
硬度…8

スピネル

[ 写真提供 : Seventhly's home page ]

語源…スピナ(spina)ラテン語「棘」
和名…尖晶石(せんしょうせき)

結晶系…等軸晶系
比重…3.60
屈折率…1.71−1.73
光沢…ガラス状

スピネルは、ルビーや、サファイアに似ていることと、その産地が同じことから、赤いスピネルはルビー、青いスピネルはサファイアとされていました。もともと、赤い石はルビー、青い石は、サファイアと混同されていたために、スピネルだけが間違われていたわけではないのですが。

例えば、このサイトでもお話いたしましたが、黒太子のルビーも、そのひとつですし、また、同じく英国王室所有のティムール・ルビーも実はスピネルでした。それらのことからなんとなくスピネルは偽者っぽいイメージを受けてきました。

そして、なぜか宝石店などで、スピネルがジュエリーとして加工してあるものを見る事は殆どないような気がします。スピネルには、赤と青のほかにも、ピンクや紫、緑やオレンジなど様々な色のものが存在します。硬度も8と高く、とても美しい石の一つなのに、それらはとても残念な事です。一般に、スピネルの知名度が低いためなのでしょうか?

普通、無色の石はダイヤモンド、赤はルビー、青はサファイア、緑はエメラルドがイメージされます。薄い青だとアクアマリン、紫はアメシストなど、色によって想像される石はだいたい同じです。その中にスピネルは食い込む余地がないのでしょう。更には、ルビーやサファイアと間違われるくらいですから、色目も似ており、その独自性を主張することができない石なのかもしれません。もちろんこれは、あくまでも、カットしたときのお話です。

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