軟玉
偽物にされてしまった石
Nephrite
化学組成…CA2(Mg,Fe)O5(Si8O22)(OH)2
硬度…5〜6
語源…(nephros )ギリシャ語 「腎臓」
和名…軟玉(なんぎょく)
結晶系…単斜晶系
比重…2.96
屈折率…1.61−1.63
複屈折量…0.027
光沢…脂肪状〜真珠状
翡翠やヒスイ輝石(硬玉)のところで散々「ヒスイと呼んでいいのはヒスイ輝石(硬玉)のみ」と書いたにもかかわらず、軟玉についての説明をこのヒスイの項で説明してもいいのかどうなのか…。ヒスイはあくまでもヒスイ輝石(硬玉)の説明のみとし、軟玉については別に項を設けるべきではないのか悩みました。それでも敢えて翡翠の項で軟玉を説明する事に踏み切ったのは、未だヒスイはヒスイ輝石(硬玉)と軟玉の両方であると思っていらっしゃる方やまた、その区別をもご存知ない方が万が一にもこのサイトにお越しくださったとき、軟玉の説明には必ず翡翠の項を探すことになると判断したからです。しかし、おそらくこういった考え方が、その間違いに拍車をかけているということもあるかもしれません。
まず、言い訳から始まってしまいましたが、軟玉はとてもかわいそうな石です。ヒスイという名前を硬玉のみということにしたのに、それが浸透されておらず、ヒスイの偽物というレッテルを貼られてしまいました。少なくとも、この日本では、宝石店で軟玉を扱うところはないでしょう。日本国内で軟玉を扱っているのは、おそらく骨董品などを扱っているお店か、印鑑を扱っているお店になるでしょう。(もしかすると、中高生向きお手軽値段のアクセサリーショップにもあるかもしれません。)
しかし、日本国外で軟玉をヒスイとして販売しているところもあるようです。
軟玉は、角閃石(かくせんせき)、透閃石(とうせんせき)、緑閃石(りょくせんせき)の集合体であり、つまるところ、鉱物ではなく、岩石なのです。