ルビー

選ばれし赤

Ruby

化学組成…Al
硬度…9

ルビー

[ 写真提供 : Seventhly's home page ]

語源…ルベウス(rubeus)ラテン語「赤」
和名…紅玉(こうぎょく)

色の起源…クロム(Cr)

結晶系…三方晶系
比重…4.00
屈折率…1.76−1.77
複屈折量…0.008
光沢…ガラス状

ルビーの持つ血のような赤い色。それは、病気を治したり、命を活性化する力を持つと信じられ、古くはお守りとされていました。コランダムにほんの微量の酸化クロムが含まれることによって、赤く発色している訳ですが、鑑別方法が確立されていなかった昔は、赤い石=ルビーと思われていました。

現在、最も高価とされているルビーの色はピジョンブラッドその名の通り、「鳩の血」の色です。ピジョンブラッドは、ほぼビルマ(現ミャンマー)で産出されています。しかし、ビルマ産のルビー=ピジョンブラッドではありません。ピジョンブラッドはルビーの中でも極めて僅かのルビーのみが名乗ることのできる希少性の高い色なのです。
柔らか味があり、鮮やかで濃い赤。なのに、黒っぽさなどの混じり気のない赤。血は血でも、静脈の血の色ではなく、動脈の血の色なのです。

現在、市場に出ているルビーの殆どはタイ産です。タイ産のものは、輝きはあるものの、透明度はビルマ産より落ち、黒味がかった赤色の物が多く、それらは、「ビーフブラッド」と呼ばれることがあります。もちろん、全てのタイ産のルビーがビルマ産に劣るわけではなく、また、すべてのビルマ産のルビーは最上であるわけでもありません。(個人的なお話をさせていただくならば、最上級のビジョンブラッドよりも、最上級のビーフブラッドのほうが、自分の好みです。)

また、世界ではじめて宝石の合成が成功したのはルビーでした。1902年にフランスのベルヌーイが成功をさせたもので、ベルヌーイ法(あるいは、火炎融合法)と呼ばれ、原料を炉内に落として、酸水素炎で融解しながら、同時に結晶を成長させていく方法で、耐火棒の棒状に核を植え付けておくことで、一定方向の結晶を作ることができるというものです。

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