珊瑚

古来より宝石とされていた海の神秘

Coral

化学組成…CaCo
硬度…3

珊瑚

[ 写真提供 : Seventhly's home page ]

語源…(korallion)ギリシア語「」
和名…珊瑚(さんご)

結晶系…三方晶系
比重…2.68
屈折率…1.49−1.66
複屈折量…適用できない
光沢…無光沢〜ガラス状

珊瑚は古くから宝石として珍重されていました。旧石器時代の地層から、珊瑚の玉が出土したり、新石器時代の洞窟から装身具として使用された珊瑚の破片が出土しています。

日本でも、遣唐使船により珊瑚が入ってきており、聖武天皇が使用したとされる王冠に珊瑚の玉が使われており、正倉院で保管されています。

珊瑚は、その赤い色から血の色を連想させ、それが生命力につながるとし、産まれた子供の成長を願って、子供のゆりかごやベッドに提げられたり、嫁ぐ娘の安全や幸福を願って贈られたり、また、魔よけや怪我を避けるとして戦地に赴く兵士たちのお守りともされていたようです。

珊瑚は、宝石の中でも真珠などと同様に、鉱物ではなく、有機質起源の宝石です。そして、国内では産出の少ない宝石のなかで、これまた真珠と同じく日本がその産出国となっています。

一般に、珊瑚というと思い出されるような浅瀬で見られる珊瑚礁の珊瑚は、六放珊瑚とよばれ、1年で数センチメートル程度の成長がありますが、小さな孔があいており、柔らかすぎるため、宝石としては使用されていません。通常宝石として使用されている珊瑚は八放珊瑚という、水深100メートルから1200メートルという深い海に生息しているもので、1センチメートルの成長に数十年かかるといわれています。

珊瑚は、熱や酸に大変弱く、硬度も低いため、取り扱いには充分な注意が必要となります。

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