青いガーネットの秘密

奥山 康子 著

青いガーネットの秘密

− “シャーロック・ホームズ”で
                   語られなかった未知の宝石の正体 −

こちらを読む前に、
宜しければ「宝石と物語内」の、
シャーロック・ホームズ シリーズ」を
ご一読頂ければと思います。

『』内は、青いガーネットの秘密 より引用

『シャーロック・ホームズの数多い物語の中で、宝石が主人公の話はそれほど多くなく、このブルー・カーバンクルの話や、同じ短編集「シャーロック・ホームズの冒険」におさめられた「緑柱石の宝冠」など全部で四話にとどまる。(中略)この一話が数多いホームズの物語の中でも秀作と評価されるのは、ストーリーの卓抜さだけではなく、話の中心に据えられた宝石に、他の話と異なる抜群のリアリティーがあることにもよるだろう。

だからこそ、ブルー・カーバンクルの謎は深い。

ならば、青いガーネットを探しに行こうではないか。』

上記は、「青いガーネットの秘密―“シャーロック・ホームズ”で語られなかった未知の宝石の正体 」プロローグの一説です。ワクワクするのは、私だけでしょうか?

まず、ざっと目を通した感想は、「面白い」ということ。難解だけれど、素人にも理解できるように書かれていて、それなりに、解ったような気分になるのです。ただし、解ったような気分ではなく、理解した…となるためには、私の場合、遥かなる道を歩まねばならない本でもあります。

それでも、例え(私にとって)難解でも、「青いガーネット」を読んでいなくとも、石(宝石・鉱物)好きさんならば、充分に楽しめる一冊であることは、間違いないと思います。

ところで、私が読んだ「青いガーネット」と、この本の著者である奥山さんが読んだ「青いガーネット」には、いくつかの違いがあることが判明しました。

訳者の違いもあるのでしょうが、私の読んだ本は、子供向け(おそらく、対象年齢は、小学生から上でも中学生くらい)のものでありましたので、多少単純に訳してあるのかもしれません。

1.豆粒とは、そら豆のことである。−私の読んだ本では、「そら豆」という記述ではなく、「豆粒」という記述であった。

2.ガラスがカットできるほど硬い。−私の読んだ本で、この記述は記憶にない。(借りた本なので、改めて読んでみないと…です。)

3.すばらしくきらめき、光り輝く宝石。−私の読んだ本では、「二つとない宝石」という記述であった。

1については、前回紹介したシャーロック・ホームズ シリーズの中で、「当時のイギリスで、豆と言えば私たちには信じられないくらい大きなものであったとすれば別ですよね。例えば、そら豆のような豆を、通常「豆」と言っているとか。日本人の思う豆って、やっぱり大豆ですから、大きさには大きな差がありますよね。」と記載している私は、すごいかも…。と自画自賛です。


ここから先は、ヒントとなるような、ネタバレが含まれます。それでも、 続きを読む

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「青い」ガーネット
−青い(?)ガーネットの原石

【注意:写真は、画像を加工(色)しています。2008年11月現在、このようなガーネットは発見されていません。】

[ 写真提供 : 石の名前 ]

一生かけても見つからないかもしれない「青いガーネット」。でも、本当にありえないのか?いや、そんなことはないんじゃないか?という「夢」を見させてくれる。もしくは、ドイルの言う「青いガーネット」とは、どの石を指すのか。知りたい。自分で暴きたい。でも、知ってしまったら、「夢」が覚める。いろんな夢を抱いている「青いガーネット」fanは、この本を読まないほうが、良いかもしれません。

「青いガーネット」は、叶わない「夢」。だからこそ、覚めることのない「夢」でありつづけなければならないのかもしれません。

最後に、宝石好きな私が衝撃を受けた(けど、ある意味納得した)一言を。(ちなみに、この言葉は、作者の奥山さんの言葉ではありませんので、誤解無きよう。)

『宝石は微量成分に金を払っている』

アーサー・コナン・ドイル著
青いガーネット

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