国産の宝石


最初は、何気に集め始めた国産の宝石(ルース)たち。流行りだし、きれいだし…と、流行から、かなり乗り遅れて(噂の?)奈良産レインボーガーネットを購入し、その後、しばらく、国産の宝石には縁のない状態でした。

しかし、岐阜産のトパーズに出会うという偶然。そして、鉱物ではありますが、京都産の桜石に嵌り、山梨産の水晶を手に入れた頃から、なぜか妙に国産の宝石が気になりだしてしまいました。「何故、国産を?」と言われれば、「多分、日本人だから…」としか答えようの無い中途半端で、答えることが出来ない気持ち。ルース集めは、「きれいだし、好きだから」と答えられるのに。

そんな中途半端な気持ちだったからなのか、なかなか国産の宝石には出会えません。日本の宝石は商業化していないし、流通量は少ないし、ものによってはコレクターの放出品待ちや、自採している人からの流出といった感が少なからずあり、しかも、鉱物として流通することが多く、カットされたもの自体がとても珍しいように感じます。

それでも、僅かながら国産の宝石たちが我が家に集ってきました。そして、最近、何故かこれまで見逃してきたと思われるような国産の宝石たちがフッと目に入ることがあるようになってきました。「おぉ、これは、神の思し召しか?」とまでは思いませんが、ナニヤラ私のほうに向かって、緩やかな風が吹いているのではないか?と思ったりしてホクホクしています。(お財布にはイタイです。)勿論、目に入った全部が全部購入できるわけもありませんから、自身の「勘」を頼りに、お財布の中身と相談しなければなりませんが。

ところで国産の石を集めだして感じたのは、国産の宝石には、外国産のそれにはない「味」です。もちろん、石のひとつひとつ「味」があり、違います。個性ってヤツですよね。同じ種類の宝石で、同じ大きさで、同じカットをしてあっても、なんとなく、「違い」がありますよね。

でも、国産の宝石には、それらの「味」とはまた違う、少なくとも、私が持っている国産の宝石のすべてに当てはまる「味」があるように感じられます。それは、日本人だからなのかもしれませんが。

基本的に国産の宝石は「地味」に感じられることが多いのですが、それは、「奥ゆかしさ」とか「侘び寂び」といった「日本の心」に通ずるものがあるように思います。ちなみに、「判官びいき」をしていないとは、言い切れません。それどころか、「判官びいき」をしています。と言ったほうがいいような気もします。でも、いいじゃないの。日本人なんだから。

ところで、最近私は、大きな日本地図を広げて、その産地の上に、国産の宝石を並べて、ニマニマしてみたい、と思っています。かなりビミョウで、もしかすると、誰にも判ってもらえないかもしれませんが、いつかその地図の上にたくさんの宝石が並べば嬉しいです。(あ、世界地図でもやってみたいかも。)

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