婚約指輪？

最近、ちょっぴりお固めのエッセイが続いたので、今回は、かる〜くいこうと思います。

私が就職して割とすぐのころに、別の課の人（男性）が結婚することになりました。話の流れで、「婚約指輪は、どんなのを送ったのか」ということを聞くと、「真珠のネックレスにした」というではありませんか。よくよく聞くと、奥様になる人が、「ダイヤモンドの指輪を貰っても、着ける機会は多分ないから、たんすの肥やしになってしまう。でも、真珠のネックレスなら、冠婚葬祭で使うことができるし、やっぱり、ひとつはいいものが欲しいから…」と言ったということだったのです。それを聞いた私は、「うん、その通りだよね〜」と深く納得し、自分のときもそうしてもらおうと心に決めたのです。

それから、数年後、自分の意志を相手にも伝え、婚約指輪ならぬ、真珠の婚約ネックレスをちゃんと頂きました…。

そして、いくつかの冠婚葬祭に出席しましたが、貰った真珠は身につけませんでした。唯一、私がその真珠を身につけたのは、自分の結婚式だけ…。（だって、レンタルとかのニセジュエルネックレスとか、ニセジュエルイヤリングとか、あるいは、ニセジュエルティアラとかって、イヤだったんだもの。）

なぜ、そんなことになってしまったのかと言えば、「婚」のほうは、着物をわりと持っているほうなので、着物ばかり着ていたから…。だって、着物があるのに、わざわざドレスとかを買うなんて…。

そして「葬」のほうは、何かのテレビ番組で、デザイナーの人が「喪服に真珠のネックレスをつける人が多いけれど、もともとは、そんなのはつけなかったんだよ。でも、それじゃぁ、なんとなく、寂しいから、真珠なら（人魚とか月とかの）涙と言われているし、許されますよって誰かが言い始めたのがあっというまに広まったんだよ。でも、個人的に言わせて貰えば、黒い服に白い真珠ってどうなのかなぁ。コントラストが強すぎだよね。あってない！！！。喪服を着るなら、黒真珠だよね」って、そう言ってたんだもの。

人の意見なんて気にすることないよって本当は思ってる…思ってるんだけど、でも、それ以上に、実は前々から思ってたの。黒い服に白い真珠って、なんか、真珠にしか目がいかないよなぁ。ってことは、浮いてるってことだよね…と。

そんなこんなで、ダイヤモンドの婚約指輪じゃなくても、やっぱりたんすの肥やしになってしまいました。

以前に、私とこのお話をしていた友人は、やっぱり、普段つかえるものの方がいいよね〜と、普段使いのファッションリングを婚約指輪代金分いくつか婚約指輪代わりに買ってもらって、しょっちゅう身につけています。「よく、使えるからいいよね〜」と言ったら、「でもね、結婚してからでも、ファッションリングは買えるけど、婚約指輪として送られるようなダイヤモンドのリングは、結婚したら、勿体無くって買えないからね〜。今となっては、使わなくっても、ダイヤモンドでもよかったかなぁって思ってるんだよね。だって、婚約指輪を逃したら、一生買えないかもしれないもんね」

たんすの肥やしにならずに、でも、普段はなかなか買えない値段のジュエリー。それが、私の理想の婚約指輪？です。でも、もう婚約指輪を貰うことはないんだから、今更一生懸命考えることはないのか…。あ〜ぁ。